【コラム】病院経営者の外付けHDは考える

~001:外付けHDとコラムで取り上げるもの~

 外付けHD(ハードディスク)と聞いて何を思い浮かべるだろうか。やはり多くの方はPCにUSBケーブルをくっ付けて使う10-15センチ角の四角い箱を思い浮かべると思う。その機能は、本体であるPCに収まりきらないデータを保管し、時にはプログラムを実装し、またある時には仮想OSなどをHDにおさめて2気筒でPCを操る強者もいるかもしれない。いわゆる私は病院経営者をPCで例えるなら外付けHDのような役割を担っている。

 私がHDとしてかかわっているのは、東京の八王子市を中心に3つの病院、3つの診療所、3つの老健、5つの訪問看護ステーションなどを行う大型の医療法人であり、いわゆる民間の医療・介護提供グループである。トップは理事長を中心とし、各施設に管理者としての院長や施設長がいるといった形態である。私はそのグループのトップである理事長の医療政策や医療経営の相談役兼本人の活動支援を行なっている立場である。

 HDとして求められる業務はどのようなものがあるのだろうか。現在、対外的には大きく3つの業務を行っていると言っている。1つ目が「調査・研究」であり突発的に出現する医療や介護における課題を調査し、データとしてまとめ上げ、その考察をトップへ伝達することである。また、状況によってその結果を用いてトップと共に政策提言を行っている。2つ目が「情報収集活動」であり医療や介護に関係する情報を収集すべく、関係する委員会や会議体に出席して最新の情報を蓄積していくことである。最後が「政策・経営戦略・戦術プランナー」であり、医療や介護における政策の在り方を全国の医療機関経営者の意見を基に検討することや、自院、他院、全国の医療機関・介護施設の経営における戦略・戦術を企画立案し発信していくことを業務としている。

 このような3つの活動を通して、トップと共に日本の医療・介護提供体制の在り方をより良い方向へもっていくためにはどうしたら良いか、ということを日々考えている。そんなことで、私のコラムでは病院トップと共に考えてきた医療政策や医療経営の視点を文章とすることで、自分のなかで整理すること、またその内容を知りたい方々へ共有することを目的として、綴っていきたいと思っている。

 今後は月1回程度の頻度で下記内容を寄稿していく予定である。

<現在考えているコラムのテーマ>
・病院経営への参画に医療系資格は必要か
・医療関連企業からみた病院経営の意識
・医療経営を学ぶ大学院は意味があるか
・病院経営の鉄則は医療政策を読めるか
・医療系団体と政治活動の意味

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