「私は○○が得意です」というように、皆さんは自分の強みや得意技を簡潔に話すことができますか?
世の中で働く多くの人は、自分のキャリアとは、誰かに作られるものではなく、自分自身で磨き上げていくものだと感じているかと思います。
医療・福祉業界における事務スタッフも同じではないかと思います。しかし、現実は、国家資格保有者が中心で構成される組織の中で事務スタッフは無資格者が多く、臨床現場に立てない(基本サービスであるケアやキュアに加われない)ことなど、職種としての業務特性を背景に、組織の中では日の目を浴びない境遇と感じている人も少なくはありません。
そして、「事務スタッフは生産性のない職種だから」と言われ、低水準な給与で働いている人もたくさんいらっしゃるのではと思います。
今回は、そんな事務スタッフのキャリア形成について話したいと思います。
結論として、“みなさんの存在価値は、まだまだ高められる”というように私は感じています。そのためには、自分の能力を磨き、自分のキャリアを演出していくことが必要です。「そんなことは難しい」「できない」「やりたくない」と感じますか?
皆さんと一緒に働かれている医師や看護師など国家資格を持ちケアやキュアに携わられている方は、治療法の勉強を行ったり、研究活動に取り組んだり、論文発表したりと、常に自己研鑽に取り組むことが求められている職種ですよね。国家資格を保有している方が、今でも努力し、自分のキャリアや患者・利用者へのサービスを考えて働いているのであれば、事務スタッフは、それ以上(せめて同等レベル)で自分キャリア形成に取り組まないと、低水準な給与からは抜け出せないと思いませんか?
私は、キャリアを形成するとは特別なことではなく、目の前にある業務に真摯に取り組むことの積み上げで形成されるものであると考えています。
ただ、それだけだと、当たり前のこと過ぎますので、今回は『ナンバーワンでオンリーワンのキャリアを持つためにはどうしたらいいのか?』という話をしたいと思います。
結論としては、3つの得意領域の軸を確立させることが、ナンバーワンでオンリーワンのキャリアを形成します。
まず、自分の得意領域の1つ目をクリアにしましょう。ここは、様々な業界がある中で、医療・福祉業界に精通しているということでも良いかと思います。それだけでも立派な専門性だと言えると思います。
次に2つ目です。診療報酬制度に明るいとか、労務に明るいとか、財務が分かるとか、自分がやってきた業務の中で最も基本軸となっている得意分野をイメージしてください。まずは、この得意分野は、あなたが所属する法人や施設の中で、自分が最も詳しい、得意と言えるレベルまで高めることが必要です。
最後に3つ目です。2つ目で掲げた得意分野とは全く性質の異なる分野・業務で、自分が出来ることをクリアにしましょう。ここでイメージした分野・業務は、あなたが所属する法人や施設の中では、自分が最も詳しい、得意と言い切れるでしょうか?(実際にそうでなくても、そう思えるかどうかが重要です)
例えば、①医療・介護業界に精通している ②診療報酬制度に詳しい ③人事労務管理に詳しいという3つの軸を立てることができたとしましょう。
いかがですか?このような人材は、法人にとっては貴重な人材です。そんな貴重な人材には、それ相応の対価が支払われるはずです。他の法人から見ても、喉から手が出るほど欲しい人材と言えるでしょう。
今回の内容は、教育学者である藤原和博氏の著書『10年後、君に仕事はあるのか?』を参考にしています。
DIAMOND online(2018.8.31)『藤原和博流「100万人に1人」の存在になる方法』も読みやすくまとめられています。(https://diamond.jp/articles/-/178417)
私は、経営コンサルタントとして働いていますが、自分自身いつもこの考え方に向き合うようにしています。
私の場合だと、まず1つ目は、様々な業界があるなかでも医療・福祉業界に明るい。2つ目は、HRM(ヒューマンリソースマネジメント)に明るい。最後の3つ目は、品質管理(ISOやTQM、JCI、病院機能評価など)に明るいという3つをイメージしています。
つまり、私という人間は、「医療・福祉の業界に明るく、HRMについてソリューションを持っていて、現場の業務改善支援にも精通しているというキャラクターです」と説明することができます。
私が経営している会社も「医療・福祉コンサルティング事業」×「地域振興事業」×「農業」という3つの事業柱ですが、これも、いままで話してきた考え方を『法人』という観点で整理した結果です。
自分が打ち立てていく3つの軸が、より希少性や独創性があると、オンリーワンでナンバーワンの存在であると公私共に認められ、市場における価値が高まっていくことになります。
皆さんは、自分のキャリアをどのように形成していきますか?
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