「医療機関は不正が起きやすい」 これが、私が医療業界に興味を持った理由です。
私が医療業界の方向けに自己紹介を始めるときは、以前はこの語りだしで始めることが多かったのですが、最近はこの語りだしを使うことはありませんでした。
ただ、数日前に、医療法人の監査を始めたばかりの会計士と話していた時に、この話を久しぶりにしたので、第1回目の記事にしてみようと思います。
私は、10~15年ほど前に大手監査法人のうちの一つの監査法人で、会計監査の仕事をしており、その時にいくつかの病院を担当する機会がありましたが、 3割を超える病院で、不正や重大な会計ミスを見つけました。
(ちなみに、普通に会計監査の対象となる組織では、会計士に見つかるような不正や重大な軽々ミスは、そもそも存在しないことが多いので、 会計士がすぐ見つけられるような不正や重大な会計ミスがあるということ自体が問題なのです)
当時は、なぜこのような固有の特徴が存在するのかを知りたくて、監査法人をやめて大学院に行きました。
おかげで、現状では仮説が設定できており、学識経験者や医療機関の経営者にこの仮説を確認してところ、 皆さん、概ね異論はないようでした。
そういった意味では、大学院での学びのおかげで、「なぜ?」は解消できました。
しかし、現状でも、いろいろな形で医療機関の会計に関わることがありますが、依然として高い確率で、同様の不正や重大な会計ミスに出会うことがありますので、10年以上たっても医療機関に固有の特徴は変わっていないようです。
このため今は、この医療機関で不正や重大な会計ミスを起きないような仕組みを考えることが私のテーマの一つです。
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