前回のコラムで収益改善の手順についてお話しました。
(2020.08.01【事務職コラム】収益改善のポイント「答えは〇〇にある」参照)
今回は具体的な事例をご案内して参ります。
収益改善をするにあたって、まず大事なのは「課題の認識」です。
しかし多くの場合、経営幹部層の持つ課題認識と現場の持つ課題認識にギャップがあります。
これは、経営幹部層が現状を確認するのは主に財務諸表であり、現場にはその内容が開示されない場合がほとんどだからです。
財務諸表は現場での努力を数値化した結果でしかすぎません。
そのため、例えば利益をロジックツリー等を使用し、現場で認識できる課題まで分解し、その認識ができる数値を把握していきます。
例)
利益減少-売上減少-単価減少-価格競争(自社単価推移、相場の把握)
-高価格需要低下(商品別売上推移)
-客集減少-市場縮小(人口動態、年齢構成)
-シェア低下(競合他社の把握)
-経費増加-原価増加 -仕入価格高騰(仕入値推移)
-人件費増加-人員増(人員推移)
-残業代増加(部署別、職種別推移)
-経費増加 -施設管理費増加(取引先別、資産別)
-その他経費増加(取引先別、項目別)
例)
部署長が職種別の残業代を把握していない
⇒人事課が職種別に集計、毎月の会議で提示する仕組みへ
医療機関における大事な経営指標(病棟別稼働率、診療科別単価等)、現場で把握すべき数値が関係部署まで届いていないことも多くあります。
その場合には、まず(正しい)情報源を抑えて発信する仕組みを構築するところから始めましょう。
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