私の改善活動との係わりは30年前に始まる。当時勤務していた病院の院長が病院TQC(Total Quality Control)活動を導入、「私の目の黒いうちはやめない」と宣言して始めたのが病院TQC活動であった。トヨタが取り組んでいた改善活動の病院版である。当時は、なんとめんどくさいことをやらせるな~と思っていました。しかし、年数がたち その病院を離れたとき感じたことが 日常での物の捉え方や思考が QC的になっていると感じたことを覚えています。もともと、患者を診るとき 評価⇒分析⇒問題点の抽出⇒ゴール設定⇒プログラム⇒実行⇒評価の繰り返しを行うことが日常であったので、テーマの選定⇒現状把握⇒目標設定⇒原因分析⇒対策立案・実施⇒効果の確認⇒歯止め・標準化、とQC活動と、ほぼ同じなので受けいれやすかったのでそう感じたのかもしれません。
QC活動は結果だけを求めるのではなく、結果を招く過程を改善することが必要であり、プロセスの管理が出来れば結果も必ず良くなるという考え方のもとに進められます。このような考え方は物事の因果関係を徹底的に明らかにしようという科学的アプローチの姿勢が根底にあります。 また、QC活動ではPDCAサイクル(Plan⇒Do⇒Check⇒Action)(計画⇒実行⇒見直し⇒改善)を継続して回していく必要があります。
QC活動には経営改善や効率化という側面がありますが、その本質は「人材育成ツール」だと思うのです。QC的なものの見方・考え方、つまりPDCAサイクルを回すとか、表面だけを見ないで、なぜそうなっているのかを深堀りして考える。そういう問題解決能力を身につけることができます。
まずは「問題意識を持つ」というのがQCのポイントです。問題を見つけて解決する能力を身に付けて、人のせい(他責)にしないで相手の立場で仕事に取り組む。「前工程は神様、後工程はお客様」、つまり自分が担当している工程は、前の人がしっかりやってくれたから自分の仕事ができる。それをまた次の人にきちんとした形で渡す。そのような考え方がQCにおけるプロセス管理です。
私は、TQC活動を問題解決の手法であって、「これからどうするべきか」、「システム化」などに対してのツールではなく、病院開拓の資質形成になくてはならないツールの一つであると思っている。
TQC(全社的品質管理)の進化した形がTQM(総合的品質管理)となっいます、私の中では、「 QC活動 < TQC < TQM 」のように理解している。 組織に導入する場合、各部門にてTQC活動をを取り入れ 十分にQC活動をトレーニング獲得したのち、TQM活動に移っていったほうが導入しやすく感じています。
TQM(Total Quality Management)(総合的品質管理) は「TQMをやる」ことが目的なのではなく、「TQMによって、質を向上させる」ことが目的なのです。 このことからTQMは、 「職員一人一人が、その手法を身につけることによる、質的向上と改善を進める体質作り」と言え、CS(顧客サービス)へ向けての土台作りとなります。
個人の能力向上や組織的な活動を加え、全社的な取り組みに発展させたのがTQMです。
改善活動として、TQCやTQMを取り上げてきましたが まだまだ多くの手法があります。それぞれの目的に応じた手法を取り入れ、それぞれの病院が働きやすい職場になっていく行くことを願います。
- 個々のプロセスの改善手法
- 5S
- 標準化
- 問題解決のステップ(QCストーリー)
- QC七つ道具
- 新QC七つ道具
- 統計的方法
などです。
- 5S
- 組織を改善する手法
- QCサークル活動
- プロジェクトチーム
- 改善提案制度
- 方針管理
- 日常管理
- 機能別管理
- トップ診断
- デミング賞
などです。
- QCサークル活動
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